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「四方下」民家の中で発見した「ドヤ」屋根

「阿波のまちなみ研究会」による徳島県下の民家調査より。

徳島はかつての民家の宝庫といわれ、特に「吉野川(四国三郎)」沿いには、『四方下』と呼ばれる茅葺き民家が形成されてきました。基本的に廊下のない田の字の四間取り、平面で日常出入りする土間から最も上手の南の部屋を「オモテ」といい、接客の間とするその北の部屋を「オク」といって寝室とするのは、徳島県下に共通する傾向です。茅(ススキ)などで葺かれた主屋のまわりに「オブタ」と呼ばれる1間ほどの下屋を出すのが「四方下」の由来で、別名「四方蓋」ともいわれます。オブタを出すことで室内にヒカリが取り入れられ、また雨の日には農作業空間として重宝されてきました。ここ数年、私たち「阿波のまちなみ研究会」は、一仕様損を対象に茅葺き民家の調査を行っており、今年は吉野川中流の旧阿波町と市場町でそれぞれ300件以上の茅葺き民家を見つけました。

そのほとんどがトタンで巻かれた四方下ですが、「ドヤ」という屋根が軒先まで葺き降ろされた民家が(トタン巻きで)1件だけ残っていました。四方下に発展する前の形態で、祖谷などの山深い地域以外ではあまり見かけられず、山の中とはいえ、旧市場町でその同道とした姿を見つけたことに何か新鮮な感動を覚えました。民家そのものが減少していく、現在。このような貴重なものがいくら残されているかも分からず、まだまだ徳島県内を歩かねばならないと考えるこの頃です。