
人や地域にゆとりと癒しを与える住まいを設計した設計者を表彰する、「すまいる愛知住宅賞」。第18回目となる今年の入賞者が発表されました。
愛知県知事賞にはY.Mさん(ワーク○キューブ)らが設計した「チャキチャキおばあちゃんとシッカリおくさんの家」。二世帯で、縁側と庭を共用部とした。ともに元気な嫁姑が同居して衝突しないかと心配だが、住まい手の性絡をネーミングに取り込み、表したのはユニークで親しみやすいです。注目したいのは、愛知県住宅供給公社理事長賞を受賞した服部信康さん(服部建築設計事務所)の「自分らしい第2の住まい」。住まいの出入り口を玄関ではなく、中庭に置き、そこから各部屋に向かうおおらかなプランニングも興味深いです。また、真っ白い箱の住宅が多いなかで、唯一、堂々と庇のある住宅で入賞しました。
今年初めて審査委員を務めた服部さん、「風景だけでなく、建物の維持を考慮すると、やっぱり日本の住宅には庇があった方がいい」。それにしても、ここ最近、入賞者の顔ぶれがほとんど変わらないのはいかがなものか。6名の審査委員のうち、委員長を含めて3名が、9年連続で審査員を務めていることもあって、なかなか新しい受賞者の顔ぶれが、現れにくいという面もあるのかもしれないです。
ある審査委員は、入賞した住宅を実際に審査した際に、「デッキがきしむのが気になった」と漏らしていた。今現在の安全面には問題ないものの、施工段階での不備や数年後のメンテナンスのことも考えるとやはり不安が残ります。この点も審査の対象とすべきではないのかという意見もあります。服部さんは「設計者の自薦形式では、結果的に目新しいものに賞が与えられることにもなってしまいます。5年程度経った住宅を対象にするなど、時間軸も評価に加えてみたり、一般人からの意見を広く募ることも検討すべきではないでしょうか」と指摘しています。